ガーデニング研究会、武部さんについて

今、大阪の造園や園芸に関わる人たちが集まる「ガーデニング研究会」という集会が庭業界から注目されています。20年ほど前の荻野が造園を始めた頃にガーデニング研究会に来ることを誘われ、主催者の武部正俊さんと知り合ったことがきっかけで続けて参加するようになりました。ガーデニングが流行する前の頃に、何か大阪でも庭や植物についての知識やネットワークを共有できる場・文化を発信できる場を持てないかという武部さんの思いから開催されたようです。今でも月一回の研究会には20年間欠かさず荻野も出席しています。(研究会のある第三日曜日は他の予定を入れないようにしています)今となっては造園関係者を中心に建築設計者など他ジャンルからも来られる方も増え、多いときで50名近く集まる日もあります。若い人や女性も増えてきており、愛知方面や北陸など遠方からも来られる方もいます。庭について誰でも気軽に話をしたり、作品発表ができる良い機会となっています。

↓武部さんのブログより引用
『20数年前、Gardening研究会というプロを対象とした「ニワ・庭」を考える会を立ち上げた。当時、大阪の鶴見緑地で開催された花博の後で、花に 注目が集まっていた。しかし、いわゆる作庭家、造園家と呼ばれる方達はなぜか植物のことをあまり知らない。また園芸家と呼ばれる方達は植物の知識は豊富だが庭全体のデザインが得意ではない。ところがイギリスを中心としたヨーロッパやアメリカなどでは多彩な植物や花があふれた庭・Gardenが造られている。Gardeningという言葉で植物の知識とデザイン力が両立されていた。Gardenという名詞に現在進行形のingがついているのも面白いと思った。庭と植物、そして原初の「ニワ」を 求めて「Gardening研究会」という名前を付けた。当時、Gardeningという言葉はまだ普及していなかったが、瞬く間にガーデニング・ブーム なるものがやってきて、いたってポピュラーになった。そのガーデニング・ブームの時は女性会員が増え、40名を超える時もあった。ブームが去ると、会員は 減り常連の十数名で細々と続けていた。主に僕がテーマを決め話すのだが、内容は充実したものになっていった。』

年に2回ほどある研修旅行では、実際の名庭や磐座などを、武部さんの解説を聞きながら見学しに遠方へ出かけます。
↓去年の京都旅行の様子↓

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↓去年の熊本旅行で見た阿蘇の磐座↓
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武部さんは、伝統的な作庭とは異なり、独創性溢れる造園をこれまで手がけてきました。雑誌には掲載されていない巨大な庭園作品も数多くあります。あまり公には知られていないかもしれませんが、大阪を代表する造園家でもあります。敬愛するガウディやフンデルトヴァッサー、シュタイナー、重森三玲などの影響を垣間見ることができるようなユニークな造形は、大阪人の反骨精神を表現しているかのようです。「型にはまった日本庭園はオモロくない。もっと思い切っていろんなことをすればいい。」「マネは所詮マネで、オリジナルには勝てない。だから僕は何でも包み隠さず自分のやり方を公開する。」といった自由で誇り高い考え方は衝撃的でした。

昔はヨーロッパ(イギリス・スペイン・オーストリア・ドイツ・スイス)まで建築・ランドスケープなどをガーデニング研究会で共に見に行ったり、韓国の桜の原生林なども見に行きました。異なる見方や見識を持ち、それを自作へと昇華させている武部さんは、特定の造園の師を持たない荻野にとっては先生のような存在なのかもしれません。(武部さんから学んだことは多くあるものの、その敬意から同じ表現方法は避けてきました。それが武部さんへの後輩としてのマナーであり、恩返しであると考えています。)

これまでその思想は書籍等で執筆されず、いつもその片鱗をガーデニング研究会という場で参加者は共有させていただいております。とても奥深く、庭をなぜつくるのか?に始まって造園の本質的な部分に差し迫る毎回の講義は、大変勉強になります。最近はブログを始められたようなので、そちらもぜひご覧になってください→(http://blog.livedoor.jp/omtakebe/)若手造園家が集まるニワプラスのサイトでも、「ニワプラスマガシン」(http://niwa-plus.net/magazine/magazine01.html)として執筆されています。

高齢になってもまだ創作・研究意欲が衰えない武部さんに1人の師としての敬意を表すと共に、良きライバルとしてもこれから高め合っていければ幸いです。

年齢、地方を問わず、多くの方々がガーデニング研究会に参加されることを願っております。実際に武部さんの話を生で聞いてみることをおすすめします。(ガーデニング研究会入会お申し込みはこちら(omtakebe@sakai.zaq.ne.jp)までお問い合わせください)

by ogino_landscape | 2014-02-04 16:17 | | Comments(0)


荻野寿也景観設計のブログです。造園・グリーンの工事や管理の様子、植物の情報、参考になる原風景のイメージやインスピレーションを受けた物事などをスタッフがお伝えします。http://www.o-g-m.co.jp/


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